起こす、農業 ~岩手県一関市で農業で起業しませんか?~

一関市では、自然条件と地域特性を生かし、水稲、畜産、園芸などが複合的に経営され、年間を通じて多彩な農畜産物が生産されています。

北上川流域の平坦部が広がる西部地域では、水稲を中心に肉用牛肥育、野菜、花きなどが生産され、緩やかな丘陵地が多い東部地域では、野菜、花き  を中心に、水稲、酪農、肉用牛繁殖などが生産されています。

立地や気候に恵まれた岩手県一関市で、農業で起業する仲間を募集しています!

1. 一関市の手厚い就農サポート体制

(1) 一関地方新規就農トータルサポートシステム
(地域独自の新規就農者支援体制)

新規就農の相談を一関市、平泉町、JAいわて平泉、岩手県等がワンストップ体制で受け、実践研修から就農に必要な施設等整備など、相談から就農まで支援するものです。

メリット

技術習得や施設整備の支援を一体的に受けられる!

一関地方新規就農トータルサポートシステムについて(PDF)

(2) 新規就農ワンストップ相談窓口【リモート相談可能】

一関農林業振興協議会では、毎月「新規就農ワンストップ相談窓口」を開設しています。
本格的に農業を始めたい意欲ある方の相談をお待ちしています。

相談内容:各種支援制度、研修制度、農地、資金 等

開設
原則として毎月第2水曜日午後に開設
場所
一関市川崎支所2階多目的室
(一関市川崎町薄衣字諏訪前137)
相談対応機関(相談対応事項)
一関市、平泉町(研修制度、補助事業等支援制度)
いわて平泉農業協同組合(研修制度、栽培技術等営農関係、資金相談)
一関農業改良普及センター(営農計画、資金計画、栽培技術等営農関係)
一関農林振興センター(補助事業等支援制度)
岩手県農業公社(農用地の紹介、あっせん)
申込方法等
完全予約制です。(要事前申込)
1件あたり1時間以内としています。
申込み・問合せ先
一関市役所農政推進課 0191-21-8225
一関農業改良普及センター 0191-52-4961
JAいわて平泉営農振興課 0191-34-4001

新規就農ワンストップ相談窓口について

一関市HP ワンストップ相談窓口チラシ

(4) 主な就農関係の支援事業

見学、体験

いちのせき農業チャレンジツアー(PDF)

  • 移住を検討している方や農業に興味を持っている方を対象に、一関市内での農作業体験、先輩農業者との交流など行います。
  • 毎年1回(秋ごろ)開催しています。

園芸だよ!全員集合

  • JAいわて平泉が主催し、一関地方の主力品目(野菜と花)の栽培(栽培暦・収益等)について説明を行っています。
  • 毎年12月に開催しています。(個別相談あり) 問合せ:JAいわて平泉園芸課 0191-34-4003

JAいわて平泉無料職業紹介所グリーンワーク

  • JAいわて平泉では無料職業紹介所「グリーンワーク」を開設し、農家で働くパート・アルバイトを募集しています。
  • 求人情報は「JAいわてグループ農業求人サイト」に掲載しています。

いちのせきふるさとワーキングホリデー

  • 数週間の間、給料をもらいながら農業体験を行います。
研修

新規学卒者等就農促進事業(一関市)

  • JAいわて平泉の臨時職員として働きながら、実地研修や座学研修を実施(1年又は2年)します。
  • 賃金は136,000円/月程度(6,800円/日)で社会保険有、通勤手当有です。

新規就農者支援事業(平泉町)

  • 町内の受け入れ農業経営体などで農業研修(2年以内)を行います。
  • 研修支援金として50千円/月が、居住費支援金として家賃の1/2(上限20千円)がそれぞれ助成されます。
独立就農、規模拡大

意欲ある農業担い手支援事業(一関市)

  • 中古機械等導入の支援等

JAいわて平泉園芸振興対策事業(R5年度~R7年度)

  • 園芸品目の新規拡大(経営面積の拡大)に要する施設や機械、生産資材等の導入資金の30%を助成(上限100万円)します。
  • 園芸品目に対する水源確保のための井戸を設置する場合に、その費用の1/3を助成(上限25万円)します。
    お問合せ:JAいわて平泉園芸課 0191-34-4003
  • このほか、国庫、県単独事業による施設・機械整備が可能です。詳細は、一関市役所や一関農林振興センターへお問い合わせください。

一関市、国、岩手県の支援制度(まとめ)

(5) 主な移住定住の支援事業

移住定住促進

あばいん一関

  • 一関市で快適に暮らしたいと考える方々向けにさまざまな情報を順次お届けするためのWebサイトです。
  • 一関の魅力から、実際に住める物件などの情報をお伝えしています。

オンライン相談会

  • 予約制で常時、オンライン移住相談会を開催しています。

いちのせき暮らし体験ツアー

  • 当市への移住を検討している方のために体験ツアーを実施しています。年間2回程度実施しています。

その他各種情報等

  • 一関市役所HPの移住定住関係の情報ページです。
  • 詳細は一関市役所交流推進課(0191-21-8194)まで
住宅取得補助

移住者住宅取得補助金

  • 移住者が市内定住のための住宅を建設や購入する際の経費を補助します。
  • 対象物件:新築の場合1000万円以上(建物のみ)、中古の場合300万円以上(土地含む)、又は空き家バンク物件
  • 補助金額:新築50万円(40歳未満)又は25万円(40歳以上)、中古25万円(40歳未満)又は12.5万円(40歳以上)、空き家バンク購入経費の1/4(上限25万円)(40歳未満)又は購入経費の1/4(上限12.5万円)(40歳以上)

空き家バンク登録住宅改修等補助金

  • 空き家バンクに登録した3年以上空き家となっている物件を購入した際の改修等に要する経費を補助します。
  • 補助率:1/2(上限40万円)
  • 詳細は一関市役所交流推進課(0191-21-8194)まで
移住支援

移住支援金

  • 東京23区に在住または通勤する方の移住に際し支援金を交付します。
  • 交付金額:世帯移住100万円/単身移住60万円

いわて若者移住支援金

  • 東京23区以外の東京圏の方の移住に際し支援金を交付します。
  • 交付金額:世帯移住25万円/単身移住15万円
  • 詳細は一関市役所交流推進課(0191-21-8194)まで
移住希望者相談等支援

移住希望者相談等支援補助金

  • 移住相談会等で相談を行った方を対象に移住体験ツアーの参加や視察などで、現地訪問される際の費用を補助します。
  • 対象費用:一関市までの交通費(公共交通機関の運賃・自家用車の高速道路料金および市内のレンタカー代)と宿泊費
  • 補助金額:対象費の1/2に相当する額。(上限3万円)
  • 詳細は一関市役所交流推進課(0191-21-8194)まで

(6) 技術習得の流れ

「新規学卒者等就農促進事業」(研修事業)を活用した技術習得の流れを説明します。
研修では、JAいわて平泉の臨時職員の身分でベテラン農家(師匠)の下で栽培管理技術等を修行することで、就農に向けて着実に技術習得することができます。また、研修期間中には定期的な面談を通じて自身の就農計画策定を進めることができます。

研修内容の例

  1. 技術研修
    • 研修先農家(師匠)に出勤し、師匠の指示の下、季節の作業を体験しながら指導を受けます。
    • 指導内容は、育苗、定植、栽培管理、病害虫防除、収穫、出荷調整など「すべての生産管理作業」です。
    • 冬期には、ビニールハウス設置作業を研修する場合もあります。
  2. 座学研修
    • 岩手県立農業大学校が主催する「新規就農者研修 基礎コース」を受講し、就農に必要な基礎的知識や技術の習得を図ります。
    • 研修期間は4月~2月で毎月1回(3日間)。講義や実習を行います。
  3. 研修生面談
    • 2か月1回。関係機関職員と面談し、就農計画の策定、農地、施設の確保、各支援事業の活用について相談します。

技術習得の「守・破・離」

① 就農前:「守」
  • ベテラン農家(師匠)の下で実地研修
  • 植物生理、土壌、農薬等は座学研修(岩手県立農業大学校での研修)
② 就農後(~5年目):「破」
  • 師匠からのサポート
  • 部会活動や若手農家との相互研さん
  • 指導会、研修会
  • JA、普及センターの巡回指導
③ 就農後(6年目~):「離」
  • 部会活動をけん引(リーダー等)
  • 師匠として弟子(研修生)をとる
  • JA、普及センターと新技術等を実証・展示

技術習得の事例

新規学卒者等就農促進事業を活用した方の(修了生)の単収事例(JA生産部会平均単収との比較)※R4年度実績

修了生単収
Aさん:24t/10a
Bさん:16t/10a
生産部会平均単収
7.7t/10a
修了生単収
Cさん:7.3t/10a
生産部会平均単収
3.9t/10a
修了生単収
Dさん:9.8t/10a
生産部会平均単収
5.7t/10a
修了生単収
Eさん:9.2t/10a
生産部会平均単収
6.3t/10a

ベテラン農家(師匠)の一例

研修では各品目のベテラン農家を師匠に選定します。

品目
トマト
経験年数
30年目
栽培面積
19a
販路
JA出荷中心
労働力
3名+パート等2名程度
経営の特徴
  • 地域トップクラスの単収(R5:20t/10a)
  • 弟子を多く輩出。弟子はいずれも高単収をあげる農家に成長
品目
トマト
経験年数
10年目
栽培面積
60a
販路
JA出荷中心
労働力
2名+パート等8名程度
経営の特徴
  • 地域最大クラスの栽培規模及び販売金額(約1,700万円)
品目
なす
経験年数
6年目
栽培面積
43a
販路
JA出荷中心
労働力
6名
経営の特徴
  • 地域最大クラスの栽培規模及び販売金額(約1,500万円)
品目
なす
経験年数
5年目
栽培面積
26a
販路
JA出荷中心
労働力
2名+パート等1名程度
経営の特徴
  • 地域トップクラスの単収(R5:13t/10a)
品目
ピーマン
経験年数
7年目
栽培面積
38a
販路
JA出荷中心
労働力
2名+パート等3名程度
経営の特徴
  • 地域トップクラスの単収(R5:10t/10a)地域最大クラスの販売金額(約1,500万円)

新規学卒者等就農促進事業の研修決定までのながれ

  1. 募集・応募(11月~1月)
    • 募集要項は一関市役所HPや市の広報誌等で周知。募集期間は例年11月~1月中旬
    • 応募者は「新規就農ワンストップ相談窓口」を利用した上で申請書を提出していただきます。
  2. 審査(1月~2月)
    • 書面審査を経て面接審査を実施
  3. 研修受入通知(2月下旬)
    • 対象者に受入通知
  4. 研修先農家選定(ベテラン農家とのマッチング)(2月~3月)
    • 研修生決定後、速やかにJA及び各生産部会と協議し研修先を決定
    • 研修先農家の選定に当たっては、研修生の出身地、農地保有状況、将来的な規模、年齢等を考慮し決定。
    • 基本的に研修先は2経営体となっています。
  5. 研修開始(4月)
    • 各研修先(農家)で1年又は2年間の研修を実施

2. 就農後のすがた(こんな方におススメです)
~JA出荷で安定した農業経営~

一関市では、JA出荷を主体とした農業経営を志向する方の就農をおススメしています。

おススメポイント

出荷先が安定しており売上が計算できる
 → 生産活動に集中できる、販売先や販売単価が安定している

生産部会の仲間が多い
 → 情報交換や相談、相互研さんできる

(1) モデルケース(JA出荷主体の経営体のモデル)

トマト
品目
トマト
栽培規模
20a(養液土耕栽培)
単収
12t/10a
経営指標
  • 収益: 7,800千円
  • 費用(うち減価償却費): 5,300千円(1,400千円)
  • 所得: 2,500千円
販路
JA出荷中心
労働力
1名+繁忙期パート労働力
初期投資(資本装備)
  • パイプハウス(20a)
  • 養液土耕システム
  • 動力噴霧器
  • トラクター(20ps)
  • その他
おおよその投資額※
  • 合計: 10,000千円
  • 機械: 3,500千円
  • 施設: 6,500千円
ピーマン
品目
ピーマン
栽培規模
20a(雨よけハウス栽培)
単収
9t/10a
経営指標
  • 収益: 7,200千円
  • 費用(うち減価償却費): 4,700千円(1,200千円)
  • 所得: 2,500千円
販路
JA出荷中心
労働力
1名+繁忙期パート労働力
初期投資(資本装備)
  • パイプハウス(20a)
  • トラクター(20ps)
  • 動力噴霧器
  • その他
おおよその投資額※
  • 合計: 9,200千円
  • 機械: 3,500千円
  • 施設: 5,700千円
なす
品目
なす
栽培規模
22a(露地トンネル栽培)
単収
8t/10a
経営指標
  • 収益: 6,000千円
  • 費用(うち減価償却費): 3,500千円(400千円)
  • 所得: 2,500千円
販路
JA出荷中心
労働力
1名+繁忙期パート労働力
初期投資(資本装備)
  • 管理機
  • マルチャー
  • 動力噴霧器
  • トラクター(25ps)
  • 軽トラック
  • その他
おおよその投資額※
  • 合計: 2,000千円
  • 機械: 2,000千円
  • 施設: -
  • 施設・機械は中古(標準価格の1/2)を想定

投資に係る支援事業

  • 経営発展支援事業(国)
    → 補助率2/3以内 上限1,000万円
  • 地域農業計画実践支援事業(県)
    → 補助率1/2以内 上限2,000万円
  • 意欲ある農業担い手支援事業(一関市)
    → 補助率1/3以内 上限30万円

備考

  • いずれの品目でも繁忙期はパート労働力が必要
  • 極力、補助事業又は中古を活用した施設整備を推奨
 

(2) 新規就農事例

品目
トマト
就農年度
平成30年度
経営規模等
12a
売上額
9,700千円
販路
JA出荷中心
労働力
3名+パート等2名程度
備考(特徴等)
  • 中古ハウス活用
  • 県単事業で機械・設備を整備
  • 脱サラ就農
品目
トマト
就農年度
令和2年度
経営規模等
10a
売上額
4,500千円
販路
JA出荷中心
労働力
2名+最盛期のみ3〜4名
備考(特徴等)
  • 国庫及び県単事業で施設、機械を整備
  • 環境制御機器導入
  • Uターン就農
品目
ピーマン
就農年度
平成30年度
経営規模等
ハウス24a+露地7a計31a
売上額
11,000千円
販路
JA出荷中心
労働力
2名+パート等3名程度
備考(特徴等)
  • 中古ハウス活用
  • 国庫及び県単事業で機械整備
  • Uターン就農
品目
なす
就農年度
令和元年度
経営規模等
43a
売上額
13,000千円
販路
JA出荷中心
労働力
6名
備考(特徴等)
  • 第三者継承
  • 県単事業で機械整備
  • Iターン就農

3. 一関地域は岩手県内有数の農業地域

(1) 一関市の農業生産の概要

主な品目は米、トマト、ピーマン、なす、きゅうり、小ぎく、りんご、肉用牛、生乳、鶏、豚などで、各品目とも岩手県内有数の産地です。産出額は351億円(令和4年度)で県内1位となっています。
また、トマト、なす、小ぎくの系統販売額は県内1位となっています。

一関市の農業産出額(令和4年度)

合計産出額(県内順位)
351億円(1位)※全国18位
内訳
  • 米:51億円(3位)
  • 野菜:25億円(2位)
  • 果樹:15億円(5位)
  • 肉用牛:36億円(2位)
  • 豚:102億円(1位)
  • 鶏:95億円(2位)

系統販売額~県内一のトマト産地、なす産地、小ぎく産地~

品目 販売額(R4年)
※系統販売額
トマト 384百万円
なす 196百万円
小ぎく 213百万円

(2) JAいわて平泉について

JAいわて平泉は2014(平成26)年3月にJAいわて南とJAいわい東が合併し誕生したJAです。
事業区域を一関市、平泉町とし、正組合員13,300人、準組合員約6,400人、計19,700人(令和5年度)となっています。

主な生産部会について

生産部会
トマト
面積
16ha
平均単価(R5)
325円/㎏(県平均: 332円/㎏)
人数
111名(40歳代以下: 9名)
若手グループ
  1. 名称: 担い手班
  2. 人数: 30名
  3. 主な活動: LINEグループ、相互巡回、2年に1回研修会開催
生産部会
なす
面積
11ha
平均単価(R5)
313円/㎏(県平均: 311円/㎏)
人数
72名(40歳代以下: 10名)
若手グループ
  1. 名称: なす若手グループ
  2. 人数: 12名
  3. 主な活動: LINEグループ、販売フェア、「なすフェス」開催
生産部会
ピーマン
面積
15ha
平均単価(R5)
434円/㎏(県平均: 443円/㎏)
人数
177名(40歳代以下: 20名)
若手グループ
  1. 名称: ハッピーまん
  2. 人数: 20名
  3. 主な活動: LINEグループ指導会動画配信、研修会
生産部会
きゅうり
面積
11ha
平均単価(R5)
267円/㎏(県平均: 267円/㎏)
人数
87名(40歳代以下: 6名)
若手グループ
  1. 名称: きゅうり若手生産者(60歳以下)
  2. 人数: 20名
  3. 主な活動: 若手生産者会議、研修会

中古ハウスの流通について

  • 毎年一定程度の中古ハウスが流通しており、その情報は各生産部会内で交換されています

一関地域の産地情報「いわてアグリベンチャーネット」

お問い合わせ先

一関市 農林部 農政推進課 担い手支援係
(お気軽にお問い合わせください)
電話番号 0191-21-8225
FAX番号 0191-21-4221
電子メール noseisuishin@city.ichinoseki.iwate.jp